ヒューモンガスの生地はすべて、インドの工房で製作されている正真正銘の木版プリントです。昔ながらの手法で熟練の職人技と、さまざまな工程を経て、一枚の布ができあがります。
新しい柄をオーダーする時や、磨耗してしまった木版を新調する時は、木版工房へ。職人が一枚の板から手で掘り上げます。乾燥させた木の表面に柄をトレースして、器用に鏨を打ち込んでいきます。
色数が増えると木版の数も増える
3色使う柄の場合は3つの木版で1セットです。それぞれの木版には柄のつながりを示す「ジョイント」と呼ばれる小さなガイドがついています。ランダムに空いている穴は空気を通すため。細やかな工夫がたくさん施されています。
木材は貴重な資源
木版を作る際に出る木端は小さな木版に。ご自宅で楽しめるワンポイントの木版もつくっています。紙にはもちろん、布専用のスタンプ台を使えば生地にもプリントできます。
PRINT FACTORY
プリントの仕上がりには気候が大きく影響し、季節によって綺麗に染まる色調が異なります。ベストなタイミングで製作するのが美しく染め上げる秘訣です。
人と環境に優しい天然由来の染料
工房が使用してるこだわりの染料はとってもデリケート。「天然由来」というと、草木染めのように思われるかもしれませんが、化学的なアプローチも使用します。鮮やかな色や、パステルカラーなど、草木染めでは難しい色合いも染めることができます。安心な成分で環境に優しく、それでいて美しい仕上がりのこの染料は、天気が少し変わるだけで、同じ配合でも色合いが変わってしまいます。一度作った染料は保存が効かず、作り置きもできません。その日の気候に合わせて、経験豊かな専門の職人”カラーマスター”が染料を配合します。
インドの伝統的な草木染め”バグルー”の技法を使うことも。
厳選の風合い豊かな生地
生地の産地インドは素材の宝庫です。
ヒューモンガスは扱いやすいコットンを中心に、風合いが良く経年変化も楽しめる品質の良い生地を使用しています。極薄のボイル、さらりと涼しいキャンブリック、ドレープの美しいツイル、厚手のチノクロス、ほっこりコーデュロイなど、創作意欲をくすぐる様々な生地があります。レーヨンやリネン混などの変わり種もちらほら。
インドの伝統的な手紡ぎ・手織りのカディも人気。少しずつ種類を増やしていきたいです。
染める前の準備
しっかり洗いをかけて糊を落とした白生地をしわが寄らないよう、ピーンと張ります。工房には全長5メートルほどのプリント台がずらりと並んでいます。
生地は染める前にプリント台の長さにカットするため、1枚当たりの長さは5mが最長になります。気まぐれに10m超の生地が届くことも。
木版を一押し一押し
リズミカルなテンポでどんどん染め上がっていく光景は、何度見ても感動的です。
染め上がったら
風通しの良い場所で乾燥させた後、水を張った大きな洗い場で余分な染料を落としながら手作業で洗いをかけます。水を吸った生地は重く大変な労力ですが、これにより生地がふっくら柔らかに。
染料は洗いをかけて乾燥させると色が変わります。色のチェックは最後の工程が終わるまでできないので、ドキドキ。
くっきりしたラインは滲みにくい顔料を使いますが、それ以外は全て染料を使用しています。使い込むごとに風合いが増していく染料ならではの美しさをお楽しみいただけたら嬉しいです。
次の世代に引き継いでいくため、できるかぎり土や川を汚さず持続可能なサイクルで物づくりをしている工房です。