インドの工房に送る次のオーダーを考えています。 ストールや柔らかいシルエットの洋服に向いているボイル、扱いやすいキャンブリックやシーチングなどの他に、変わり種の生地も増やしたいと思っています。まだ試したことのない、素材感の面白い生地がインドにはたくさんあります。
インドは素材の宝庫
インドの生地というと、「インド綿」などと一括りにされてしまいがちですが、マットのように極厚で重みのあるものから羽衣のように薄く軽いものまで、粗野で安価なものから繊細な超高級品まで、そして綿だけでなくレーヨン、麻、ウール、シルクなど、質から素材まで実に色々な種類があります。それぞれに合った加工や使用方法があって、インド出張は素材を見にいくだけでも毎度新しい発見があり、とても楽しいです。
心地の良い生地だけを
ヒューモンガスでは「魅力的な柄」や「美しく安全な染料」などの色柄のクオリティと同様に、生地の『心地よさや肌触り』『作品にした時の美しさ』を重視して素材を選んでいます。
意外にも…
インドのローカルマーケットで「木版プリント」の製品や生地は滅多に見かけません。現地の人はシルクスクリーンプリントをよく着ています。木版プリントは外国人向けの土産店などにはよく置いてありますが、中には粗悪品や偽物もあるので注意が必要です。安価な染料が使われていたりすると、肌に悪かったり、一度の洗濯で色が激変してしまったり。パッと見では分からないのが難しいところです。仕入れをしてるお店や説明をしてくれる販売員がそもそも木版プリントのことをよく知らず、悪気なく販売してることも。
かくいう私も、インドに行ったばかりの頃はその違いが分からず、偽物や質の悪いものを買ってしまったことがあります(店を始める前のことです)。現在お世話になっている工房のオーナーはその違いを丁寧に説明してくれて、一連の製作工程を何度も何度も見せてくれました。そのおかげで違いが分かるようになりました。
質の違いはなにより使用感に出ます。繰り返し洗ったり使い込んでいくと、良質なものは経年変化も美しく、使っていてとても楽しいです。大変な労力をかけて作られる木版プリントですから、良い素材で長く愛用してもらえるものでないともったいない!
ヒューモンガスの木版プリントは全て、長年お世話になっている信頼の工房で制作されています。伝統を大切にしながらも、人や環境への配慮を怠らず、職人さんをとても大切にしている工房です。(意識の高い、素敵な工房です!)
「これは何用の生地ですか?」「○○に向いている生地はどれですか?」など質問いただくことがあるのですが、生地ごとに洋服用・インテリア用など用途は決まっていないので、イメージに合う厚みや柔らかさなどからお探しいただくことをおすすめしています。
アパレルメーカーでパタンナーをしていた経験から、自然と洋服にした時のことを考えながら生地を選んでいるところがあり、洋服に仕立てていただいた際に魅力が一番伝わる素材が多いかもしれません。
なので、洋服を仕立てていただいたお客さまから、生地の素材の良さを褒めていただくことが年々増えているのが、とても嬉しいです!使って着て初めて感じていただける部分なだけに、よかったなぁとじんわり。
これから
扱いやすさやお手入れのしやすさ等から、現状は取り扱いのほとんどがコットンやレーヨンですが、今後ウールやシルクなどにも挑戦できたらと思っています。これらの素材は高価なのがネックなのですが…お試しで少しやってみて、好評だったら展開を広げてもいいかも…と思っています。何事も挑戦!
以前少しだけ作ってみて好評だったジャージー(おかげさまで完売)や、工房でサンプルを見て一目惚れしたベルベットもやってみたい。夢が広がります。
染料の色合いによって、きれいに染め上げられる季節が異なるので、工房には制作しやすい時期に、制作しやすい色柄のものをお願いしています。そのため、オーダーしたものがいつの入荷になるかは日本に届くまで分からないのですが、次の入荷もご期待いただければと思います!(ちなみに一昨年オーダーしたものでまだ届いていないものも…気長に待ちます)
心地よく魅力あふれる木版プリントを今後もヒューモンガスらしく、ゆったりワイドに展開していけたらと思います。
コメント